平成21年6月号 「会社を作るときの要件は?」 Q 「友人が、自己資金はあまりないけど会社を作って新しい事業を始めたいらしいんだ。最初の資本金はいくらあれば会社を作れるのかな。」 「今は資本金1円以上で作れるらしいよ。」 A そうなんです。平成18年5月1日の新会社法施行日以降は、会社設立に必要な資本金の最低基準はなくなったのです。だから資本金1円でも会社が作れるんです。その理由は、やはりベンチャー企業等の設立促進による経済の活性化と、必ずしも資本金に相当する純資金が会社に現存しているわけではないという「資本金の有名無実化」によるものです。この点は、「貸借対照表」をちょっとかじればすぐに理解できます。早速、本屋さんに電車で?GO! 私たち司法書士も、会社設立登記の依頼をいただくと必ず「資本金はいくらにすればいいですか?」と聞かれます。原則通り言えば、「現実にいくら新会社に出資するのか。」ですね。ただ、ここで「会社に出資するのか?会社に貸し付けるのか?」の判断は必要ですね。両者の違いをちょっとだけ見てみましょう。 『出資金』 @ 株主となり、株主総会での議決権がある。 A 株価は変動する。倒産したら紙切れになる。 B 会社にとって、財務内容が『貸付金』よりはいい。 C 返してもらうのは、なかなか難しい。 D 株主配当金等がある。 『貸付金』 @ 返還時期が来た時、または催告して返還請求ができる。 A 倒産したら、やっぱり消えてなくなる。 B あとで、『出資金』に振り替えることもできる。 C 利息が付く。 とりあえず、思いつくままに挙げてみました。このあたりを考慮しながら、資本金を決めましょう。中小企業の場合、最も多いのが「一人株主・一人取締役(社長)」の会社ですが、この場合も、「出資金か、貸付金か。」の検討の余地はあります。 ところで、株主でなくても取締役になれます。取締役でなくても株主になれます。これは、全くリンクしていません。それと、有現会社は新たに作れなくなりました。 取締役1人だけ、監査役もなしで株式会社が作れるようになりました。 そして、司法書士に会社設立登記を依頼するとその報酬は10万円位ですが、オンライン手続等で所要の税金が約25万円から約20万円に減るので、自分でやるのと5万円位しか違いがありません。それにもまして、会社経営者になるに当たっては、優秀な司法書士の知り合いを必ず作っておきましょう。法律全般についてパッと電話で聞ける法律家は、会社経営者に絶対必要です。会社設立登記は司法書士に依頼して、一度割勘(?)でお酒を酌み交わしておけば、これで『我が社の顧問法律家』のできあがり。では、また来月。